尾見怜:五〇九号分室

小説・映画・音楽の感想

勇気出してこの作品がもつ「雰囲気」について信者が語ろう 押井守:「スカイ・クロラ」

わたしはこの映画の雰囲気が大好きである。超好き。好き好き大好き。

映画における「雰囲気」。いい加減なことばだけどそれが正しい。
ネットに永遠に残るから宇多丸の批評能力の限界を示し続ける映画。宇多丸とは結構波長が合うんだけど。
この映画ではまったく一致しない。個人的にこの映画をどう語るかで映画評論家の試金石となっているかも。
この映画を批判するのは、エンターテイメント大好き人間であることが多い。そして人類の95%がそうだとおもう(もっと多いかも)。押井守が初めてマーケティングを意識した映画の癖に、「エイリアン2」とか「マッドマックス」が好きな評論家たちは、この映画を退屈と断ずる。
退屈なのは当たり前だよ。退屈で何がわりいんだよ。
押井守の映画だぞ。宮崎駿じゃないのよ。
そして私は押井守が映画監督の中で一番好きである。信者で原理主義者。(ただ「ガルムウォーズ」は死ぬほど嫌いです。ほめるところの無い駄作。あらゆるコントロールが失敗しているとおもう)
音楽が醸し出す。キャラクタ(森博嗣並感)の表情。メインビジュアル。テーマ。画面の情報量。エトセトラ。
巷で言われているのはこの若者のどんづまり感とアパシーを的確に表しているということ。
まず押井守は「これは私が初めて若者に対して何か伝えたくて作った作品である。」と言いましたが嘘だね。あるいは自己欺瞞だ。そういう監督になりたい、という願望でしかない。
今までは自己満足の為のオナニー映画だったが今度は違うみたいなことを言ったが嘘。笑っていいとも!に出てタモリと薄っぺらな会話だって俺は出来るんだぜ、ってアピールしても無駄。バレてるよ。あなたはそういう大人になれない。
これはマーケティング的なサービス。あるいはこうしたい、とスタートして失敗した。
この人は自分の思想(理屈、論文、嗜好)しか書けない。プロに徹することができない作家なのです。
最近は三池崇史に興味がある、なんて言ってるけど無いものねだりだから。「天たま」とか作っちゃうあんたには無理だから。
ウェルメイドな作品を量産する映画監督になりたくてもなれない。いくら憧れても無理。
もともとがオタク気質なんだから。我々のような同種のキモい奴らにしか理解されないのがそんなにつらいか。辛いよな。キャメロンとかルーカスに認められたのにまだ足りんのか。
押井守は、理屈が常人には理解できないほど質と量ともに豊富なめんどくさいオタクで、人間にも若者にも興味が無く、嘘つきで、頑固なクソオヤジ監督。
いいから黙って自分そのものの表現をしてください。後輩の庵野はちゃんと開き直ってるぞ。自分は子供のままだって。宮崎駿とも生きてるうちにもっと喧嘩して。面白すぎるから。
って結局それしかできないんだけど。ヤンキーに憧れる高学歴男子をジジイになってもやるんじゃないよ。
そしてここで描かれる恋愛は限りなく大人(中年)っぽいこと。見た目が子供なだけ。自暴自棄気味な恋愛の仕方。それを周囲の家具やドアを大きくしたりタバコを吸わせまくってまで強調した「子供」というアンバランスなルック。
セリフの端々に現れる諦念、希死憂慮。
そのどれもがいちいちわたしに刺さるんだけど、雰囲気はもっと別のところにあるような気がしてならない。
アニメーションの芝居のクオリティの高さ。能面のような無表情の癖にこの映画で人物の手は良く動く。本当に手が良く動く。手なんてマンガ家でも描きたくないのに、アニメでがっつりやってる。たばこを吸う時の仕草の細やかさ。たばこを吸う人間を見たことが無い人はあまりいないだろうから、その仕草は過去の経験を呼び起こす。画面がしっとりと生っぽくなる。
メインテーマと共に流れる日常。そのワンカットワンカットが美しい。積み重ねが美しい。
大好きだ。所謂押井守的な「ダレ場」もあるのだが、大好きなシーンだ。
その後に日常は最も繊細なキャラクタ(森博嗣並感)である三ツ矢によってにわかに崩壊し始める。
なんというかすべてのバランスが神業の映画だとおもう。さすがアニメーションの臨界点を明らかに超えた「イノセンス」の後の作品だ。コントロールが行き届いている。(同監督の実写は全く行き届いておらず、偶然撮れたものを楽しんでいる)
この作品には宮崎アニメの様なわかりやすい「動の凄み」は感じられないが、ディテールのすさまじさが総合的な「静の凄み」を醸し出している。一級品の芸術だ。途方もない感性と労力がつぎ込まれている。ゴージャスだ。美しい。
この映画わたしには刺さったよ押井守。これ以上ない程に刺さった。ミームを受け取った。後戻り不能な傷をつけられた。同じ路線で彼が映画を作ることはもう無いのだろうか。
となればフォロワーがいることを祈る。人頼みはあまりにも情けないので、そして自分も力不足ながら彼のようになりたいと祈る。
「いつも通る道だって、景色は同じじゃない。それだけじゃ、いけないのか」

 I kill my father. 

草薙水素を救ったカンナミは男。
女を守り、システムに敗北するのが男。生きてシステムを少しずつ変えていくのが女。いいねぇ。
最後にカンナミはメンヘラ女二人救って自分は死ぬという男の中の男。こうありたいものです。
自分は体調が良かったり、天気が良かったりするとこの映画を観がち。無意識が選んでしまう映画だ。もっとこういう映画に出会いたい。そのために生きてるようなもん。

 

 

スカイ・クロラ The Sky Crawlers

スカイ・クロラ The Sky Crawlers

  • 発売日: 2014/08/13
  • メディア: Prime Video
 

 

快楽から不快へ真っ逆さま いつにもまして画面が真っ赤なドラッグムービー ギャスパー・ノエ:「クライマックス」

高校生の時「カノン」を観てからずーっと好きだった監督ギャスパーノエ。
あらゆるモラルに喧嘩を売る監督ギャスパーノエ。
どす黒い赤が何とも不穏なギャスパーノエ。
DVD買っても観る気分になかなかなれないギャスパーノエ。(「アレックス」とか買ってもいつ観るのよ)
エンターザボイドあたりからちょっと忘れてた監督だけどここへ来てキャリアハイ!最高傑作だぜぇえええええ!
ずっと好きだったんだぜ。

相変わらず鬼畜だな。

ほんと好きだったんだぜ。

短編は全部観てないけど

 

やっぱ天才だったんだね。信じてたよ。これに関してははやくブルーレイ欲しい。ずっと流していたい。
ベストフェイバリットムービーに文句なしに入りました。ギャスパーノエの決定版「クライマックス」!
劇場で観ました。超最高です。なにが最高ってまず短い。97分。これ以上だと体調おかしくしてたとおもう。
冒頭の22名複雑に入り混じるダンスシーンだけでまずこの映画が傑作だと分かります。ツカミとしてはこの映画は大成功なんじゃないすかねー!
これはアニメでもCGでも無理。実写じゃなければ無理な複雑な動きを大人数見せてくれるのが贅沢な気がします。画が動くという快楽は映画の基本ですね。アニメがどうひっくり返ったって獲得できない身体性がここにある。
曲はcerroneの「supernature」のインスト。知りませんでした。が、これシンプルながらくっそカッコいい!この映画の顔になってるのはビジュアルだけではなくギャスパーノエが選んだ音楽です。ダフトパンクエイフェックス・ツインしかわからなかったけどかっこいいよー!
音楽映画が最近増えてきましたが、これが今年の決定打な気がします。演出からテーマを超えて映画音楽がそのものって感じ。めちゃめちゃクール。
22名のダンサー+αのキャラが出てくるので、誰かひとりは必ず気に入るのでは。王子様系のイケメンは居ないので若い女子には若干厳しいか?ひとり今バルサで若干浮いてるグリーズマンに似たイケメンがいるけどこいつの性欲がえげつなくて笑える。後半は女性的には不快な描写だらけだしね。絶対にデートムービーではない。僕は下ネタしか言わない黒人男性二人組が好きでした。芸人の深夜ラジオみたいな会話が最高。
今までのギャスパー・ノエ作品と明らかに違うのは序盤に快楽があること。おもいっきり上げておもいっきり落とす構造にしたことです。わたしのような快楽原則に忠実なエンタメ凡愚に優しい。
ダンスグループの合宿ということでロケ地はどっかの学校らしいです。ともあれ建物の構造はいまいちよくわからん。けど人間とカメラがとにかく良く動くので
視覚的な刺激には困りません。むしろ過多。疲れる。音楽はほぼ鳴りっぱなしで、意味のある会話は中盤以降ほぼありません笑 音楽と叫び声ばっか。
ラリッてる人のいろいろなパターンを観れるのも特徴。おかしな人のパターンが大量に欲しいときはぜひこれをカタログ代わりに。
犯人は誰なのか?というセンタークエスチョンがどうでもよくなるほど気持ちよくて気持ち悪い映像が続きます。
気持ち悪い不快な映像がダメって人はいるとおもいます。この映画はちょっとすごいですよ。実写映画と言うフォーマットじゃないと出来ない。
大衆映画がキャラクタービジネスの一部になりつつある今、こういうのがあるだけでもうれしいなー!
なにが言いたいってアルコール含めたドラッグはこわいよってはなし。それをこんなかっこよく、気持ち悪く撮るとはね。脱帽です。今の時代にベストマッチムービー。
なぜならガラパゴスディストピアと化しつつある現代日本ほど、無意識的にドラッグが求められている時代は無いとおもいますから。
今はアイドルとかスポーツとか萌え市場とかホリエモン西野落合系とかいろいろ種類あるから気になってないけど。
ヒロポンが政府に認められていた経緯を鑑みても、日本人は楽しむというよりは労働の苦痛を紛らわす用途にドラッグを使いがち。(コカの実と一緒だね)ブラックな労働には酒がつきもの。
無職は酒飲まないよね。ストレスオールフリーだから。
もっと広義に考えれば安価(or無料)のドラッグとしてyoutubesnsストロングゼロが若者の主流となっているのかも。(恋愛や車はコスト面で選択肢から外れる)
チープドラッグこそ近現代のビジネスモデルなのでは。
あらゆるドラッグ的なものに今、NOと言おう!その後には地獄が待っているんやで。。。そんなことを、ギャスパーは言いたかったんじゃないかな。。。
真面目で羽目をはずした経験のない人にとってはこの映画ダメかも。

後悔する朝が多かった人向け。

 

 

Climax [Blu-ray]

Climax [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Lionsgate
  • 発売日: 2019/05/28
  • メディア: Blu-ray
 

 

一度でいいからみてみたい タンカー千切りするところ 劉慈欣:三体

流行りの中華産SF小説

想像の遥か外。

アイディアの坩堝。

わたしこそちっぽけな虫けら。

歴史も科学もエンタメ要素もごちゃまぜ。これぞオールドスクールなSF。


やっぱSFは短編より長編が好きなんだよなー。
えてして短編というのは言葉を切り詰めた切れ味が必要なので、アイディアと世界観のディテールで勝負するSFはなかなか難しい。よくできたSF短編はミニマリズムえぐい。
この「三体」はそこら辺を上手くクリアするために近現代の中国を舞台にしたサスペンスエンタメにSF短編フレーバーをかけて作りました感がすごい。
あと激しく読みやすい。SF小説は残念な訳を楽しむ変態のおかげでマイナージャンルになっているわけですが、
今回は「リア充」ことばなんて使っちゃう大森さんのバランス感覚のおかげで問題ナシ!読みやすいっす先生!
本作は面白アイディアが湯水のごとく使われている贅沢仕様。変に観念的じゃなくてビジュアル的に派手で画変わりも多い(映画的)のも素晴らしい。
キャラクターをいじくりまわして遊んでるタイプの小説じゃないのもいい。キャラ付けは最小限に。やりたければ黒歴史ノートか、よくてラノベでやろう。
メインはキャラじゃない、アイディアと世界観なんよ。小池一夫の教えは偉大だけど、キャラクター物は儲かるだけでおもしろくない。でも儲かるよね。いいよね。
視点や時間軸がお構いなしにピョンピョン飛ぶのも映画的。タランティーノかよ。いわゆる物語の構造無視型。これは優等生ではつくれまへん。


整理すると、文化大革命時代の中国(主人公 葉文潔):がっつり歴史ものの香り。旦那密告して殺してるの笑える。読みやすい。

原因不明の組織を追うサスペンス(汪、強):SFサスペンス。科学の細かい話が出てくるけど許容範囲内。普通の小説っぽい。読みやすい。

VRゲーム「三体」(汪):歴史と科学の発展。脱水と三つの太陽。なんじゃこりゃとおもいながら読む。想像力オーバーフローしちゃうSF特有のアレその1
旗を持った大量の人間でコンピュータの基盤を作ってるとこが一番笑える。封神演義よんでるから周の武王とかいきなり出てきても安心。
でも三体世界が頭の中でフジリューの絵柄になるという地味な二次被害は否めず。

三体文明とのファーストコンタクト(葉文潔):中盤の説明コーナー。中華版映画「コンタクト」っぽい。女性だし。旦那と上司まとめて殺してるの笑える。

三体文明のメッセージを奪うぞ作戦(汪、強、米軍のひと):サスペンスアクション。なんといっても切れ味抜群ナノマテリアルワイヤーをパナマ運河に張って巨大タンカーを乗客ごとスライスする途方も無さ。
主人公側なのにやってることがクソ残酷だけど笑える。映画「ザ・セル」の馬の輪切りとかゆで卵を切るスライサーを連想させる。あとジョジョ5部のジェラートとソルベ。

三体文明側の地球侵略作戦準備(元帥):ぶっとび文明のぶっとび科学実験。想像力オーバーフローしちゃうSF特有のアレその2
えげつないスケール、次元の操る科学力(でも二回ほど失敗してえらいことになる)。作者の想像力が爆発して読んでいる方が酩酊状態になる。
陽子を三次元展開するあたりからもはや画が浮かばない。想像力がおいつかないよ。読みやすいとか読みにくいとかの次元では無い。

To be continued…

 

てゆーか三体主義者の人文思想レベルが異常に低い上に過激すぎ。
どこが知識階級だ。ただのバカじゃねーか。いや、物語としては最高なんですけど。
保守思想を学びなさい。西部 邁とか。特に葉文潔とエヴァンズ、きさまらだ。
特にエヴァンズは視野狭すぎ。幽白の仙水かよ。ヒトラーでももっと段階踏んで歪んでいったぞ。「資本主義はクソだ!モナリザでケツを拭け!」以上の「地球文明クソ、詳細しらんけど別の文明こそ至高」みたいなガバガバすぎる思想。
劇場版コナンの犯人並に動機があさはか。そう簡単に人類をあきらめちゃいかんよ。ワイヤーで三等分されてざまあ。
主人公格なのに少女漫画のヒロインみたいなメンタルの汪教授は次の巻でヘルシングのウォルターみたいに敵をナノマテリアルワイヤーでぶった切ってほしい。マンガ脳的には。続編早く読みたい。
史強は少女漫画の最初最悪な印象だった不良イケメンポジション。まあ、うん……便利なキャラだね。次回アクションするだろうね。

キャメロ~~~~~ン!!! タンカーが千切りスライスされる映像を撮ってぇええええ~~~~~ タンカーじゃなくタイタニックでもいいよー!!!

 

 

三体

三体

  • 作者:劉 慈欣
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2019/07/04
  • メディア: ハードカバー
 

 

一分のスキも無い超上質映画 PTAは天才だ ポール・トーマス・アンダーソン:ファントム・スレッド

私は恋愛映画が苦手だと自認してますが、よく考えたら、オールタイムベストのファイトクラブ羊たちの沈黙風立ちぬイノセンスもみんなサブプロットが恋愛映画だな、と最近気がつきました。
この映画は恋愛がメインプロットですが本当に素晴らしいよ。万人におすすめ。Amazonレビューとかでは人を選ぶとか書いてあるけど。もしかしたら共感できないという理由で女性は案外無理かもしれん。男向け恋愛映画かも。
この映画の画作りや音楽や演技の上質は誰がどう観たって分かるでしょ!そんじょそこらのいい加減な映画じゃないぞ!PTA様やで!

ソフトペダル踏みっぱなしの抑えたピアノが印象的、音楽担当は、「creep」が気に入らないから爆音のブラッシングを前ふり無しにぶち込んだことでおなじみ、レディオヘッドのやばい方のギター、ジョニー・グリーンウッド。マジでこの人も天才だな!映画の劇伴ほど才能が必要な職業はない(と思う。予想)。最大に貢献したのは俳優陣では無くこの人です。
雰囲気ダメ映画の「ノルウェイの森」をなんだか音楽の力で強引に質を上げてくれたのをおもいだす。下手な俳優の瑕疵をすべてごまかしてくれた。水原希子はいい感じの画と音楽の中に自分をぶっこめていい思い出ができた。


映画の大半が狭い部屋の中でも、退屈にならないのは画面レイアウトが秀逸だから。とにかく画面と演技の情報量が多い。セリフは少なくて無駄がなく、基本的には演技と演出で物語がドライブする。
まさに映画。これぞ映画。見応えがありすぎて目が離せない映画は久しぶり。豪華だよ。贅沢だよ。
いちいちレイアウトが見事だよ。陳腐な表現だけど絵画のよう。ノーランの数段上のフィルム撮影。光の作り方が天才的。

支配のパーセンテージを荒療治で調節する話です。がっぷり四つの男女相撲。実は恋愛映画の皮を被ったバトルものであり、最終的にはやってることが喧嘩稼業じゃないか、ってくらいです。屍だ。
オートクチュールのデザイナーのおじさんと田舎娘が出会って恋していろいろする。そのいろいろが結構特殊。前半は「マイ・フェア・レディ」っすね。
オープニングがとにかく秀逸なのでアマプラで最初10分だけでも観てみたらどうかしら。
朝の時間がパーフェクトじゃないとその日1日が全部狂うってのはよくわかる。朝の時間が一番アウトプット出来るから会話もしたくないみたいな。
ザコン+アーティスト気質+ジジイって三翻でも70符で満貫ですね。金持っててイケメンでもふつう相手しないよなー。
レイノルズの言動がブレブレで一貫していないのがまたアーティストとしてリアル。こういう一貫しないキャラを作るのは怖い。
女子サイドはまさに小田原攻め。長期戦覚悟で手段も選ばず。レイノルズに隠れてアルマの方もヤバさがところどころ噴出してます。
自分でも言ってたけど、こんながっつりイギリスな映画をロサンゼルス出身のPTAが撮るとはね。
子供作ってどうのこうのは、すでにデザイナーとしての旬は終わりってことでしょうな。つまり天才作家としては死んで平凡な父親になった。松本人志じゃないけど、いちばんキレキレだった時は終わりで老醜をさらすのみ。

私は同じ男性としてレイノルズに共感してしまいました。このクソわがままで上から目線のジジイが好きでした。アルマにクソくだらねえサプライズをされて、好みではない料理を作られて、「気を遣って喜んでいるフリをすることは可能だ、しかしそれをする人間になりたくない」なんて、まさに本音中の本音。女とのコミュニケーションは基本つまらんからいらねぇよ、とでも言いたげ。最高ですよ。

そんな愛すべき偏屈マザコンジジイが……なんてこった、恐ろしい。男にとって最も身近に起こり得る悪夢だ。
才能と時間を使ってせっかく作り上げた理想の日常。若い女のいいところだけ抽出し続けられる日々。それが終わってしまうのだ。
"Kiss me, my girl, before I'm sick."は超名ゼリフ。鳥肌が立ちました。その瞬間、悲劇のFFのラスダンかってくらいの劇伴よ。ジョニー!ああ……勝負あった……そんな……と脱力したくなるような。決まり手は寄り切り。女子の勝ちです。

あとこの映画って全くと言っていいほどエロが無い。題材的にはもっと取り入れることができたはずなので、意図的に排除されているといってもいいでしょう。
身体のサイズ測ってる時も姉同伴だし。エロを期待したアルマが肩透かしって感じでちょっと面白い。
PTAはエロに対して淡白な感じがしますね。大仰に取り扱わないというか、ビジネスライクというか。好きでも嫌いでもないよ、みたいな。そこもいい感じです。

こういう人間関係におけるタイマンを描いた作品は大好物です。隠喩が多いと更に良し。この作品が気に入ったら、藤野可織芥川賞受賞作「爪と目」なんかいかがでしょうか。ホラー+タイマンものとして同じカテゴリな気がしないでもない。
ほんとうにいい映画。やっぱPTAは神ですね。

 

 

ファントム・スレッド (字幕版)

ファントム・スレッド (字幕版)

  • 発売日: 2018/11/07
  • メディア: Prime Video
 

 

安藤サクラすげぇなぁ 前半は完璧な映画 後半はスポ根で二度おいしいけど音楽が邪魔してる 武 正晴:百円の恋

太ったブスからシュッとしたボクサーへと変わる様が本編の白眉。人間の変化をセリフで説明せずに体型や表情で表現するってのはまさに役者の仕事でしょう。尊敬します。
この人は底辺っぽい女性の演技がほんとうにうまいわー。っていうかなんでもうまいのか。万引き家族でも抜群でした。天才の類でしょうね。
ヒロイン(ヒーロー)役に本当にクズだった新井浩文。説得力ありますね。不良→クズの色気ってやっぱりあるよね。こういう俳優は貴重だとおもいますので個人的に復帰期待。

シナリオはまあロッキーです。構造的には前半後半で変わるシン・ゴジラも近いかも。前半リアルで後半はファンタジー
安藤サクラの外見の変化をきっかけに映画の種類も演出も変わってます。

 

↓以下悪口です

この「百円の恋」という映画、安藤サクラの熱演もあってかなりの傑作なのですが、音楽が全般的に平凡すぎてチョイと引っかかる。
安藤サクラのボクシング練習シーンがこの映画の肝だったりするのですが、劇伴が15年くらいセンスが古いんですー!!勘弁してくれー!
めちゃめちゃ気になるんです。ダサいんです。なんかディープパープル「Child in Time」と「Black night」を混ぜてみました、みたいなのと無難なシューゲイザーみたいなの2パターンあるのですが、
どっちもほんといまいち。なんでこんなことに? 前者に至ってはただの手抜きだろ。"
似たような展開の「ピンポン」がありますが、この映画の練習シーンはノリに乗っていた時のスーパーカーが担当していて、すさまじくかっこいい。STROBOLIGHTS 。ぶっちゃけスーパーカーが映画を食ってるくらい。窪塚洋介とタメをはる音楽は当時スーパーカーナンバガくらいなもんでしょう。もうトレーニングでどんどん強くなっていくキラキラした高揚感っていうんですか。いいよね。

日本のバンドで映画と上手くコラボした例でピンポン以上を知らない。次点は「愛のむきだし」でのゆら帝か。あれもすごかった。


主人公がどんどん成長していく高揚感をほんとうにかっこいい音楽がアシストしているのですが、「百円の恋」は流さない方がよかったかな……
もちろん元ネタの一つであろう「ロッキー」のトレーニングシーンにかかる劇伴は言わずもがな。ロッキーと言えばこれ!っていうインパクトがあります。
レーニングのシーンは覚醒した主人公が努力しまくる映画のメインディッシュに近い部分。(シン・ゴジラではエヴァの劇判を流用してましたね。多分苦肉の策です。それくらい重要なシーンなのです)ボクシング映画のトレーニングシーンは音楽映画のライブシーンみたいなものですよ。ぬるいロック流しとけばいいか、じゃすまされないところ。
つまり! トレーニングのシーンの劇伴だけは手を抜いてはいけないところだったのよ!!!! 一番おいしいところになんだあの魅力のない劇伴は!
めずらしく文句です。すみませんでした。映画自体は劇伴以外とてもいいと思います。とくに前半の冴えない恋愛の感じがめっちゃすき。

 

百円の恋

百円の恋

 

 

〇映画のエンディングダサいと最後の余韻台無し問題!

この映画のエンディングの曲。嫌いです。
こういうことが起きるので、人生とは愛とはみたいな、知ったような説教系歌詞にしょっぱいロックをのっけたバンドっていい加減死滅してくれませんかね。
若い子にニーズがあるんですか。そうですよね。すみません。でもこの映画10代が観るか? どちらかというと俺みたいなひねくれたおじさんが観る映画じゃない? ちがうか。
でも映画には邪魔でしかないよ……自分のお庭だけでやっててくんないですかね。
映画はそもそも言葉で説明せずに映像や音楽でテーマを語るものです。
ただ、最後のエンディングでガシガシにメッセージがこもった歌(しかもダサい)を歌われると、フルコースの最後のデザートで毒を盛られた気分になるのは私だけ?
この「百円の恋」の音楽はなんか全般的にがっかりしました。役者も監督も罪は無い。むしろすごい。音楽だけがほんとペラい。長編小説をパワポ1枚にまとめてしまったかんじ。ペラ1。
それとも自分の感性がマイナーなのか……おじさんなのか…… このバンドの良さは何回生まれ変わってもわからないとおもいますが。

他にもエンディングが合っていない(と感じた)映画があるぞ! 映画自体はすごい好きなのであくまで曲のチョイスがね……

エクス・マキナ
映画自体はAIをネタにしたミニマルなSFサスペンス。なのにエンディングはサヴェージズというポストパンク。うーん、これに関しては好みかもしれないけど、
かましい曲は終始静かだったこの映画には合っていない。最後までミニマルでいってほしかった。
パンク侍、斬られて候
内容はとにかくパンクで人死にまくりの狂気的な時代劇コメディ。 エンディングはピストルズアナーキー!最高!ぴったり!
とおもったらそのあとに我が邦の若手バンドに変更。謎にエモーショナルなラブバラード。死ぬほどダサいよ!ピストルズの後だとなおさらキッツイ!ピストルズ聴かせてよ!

配給とかスポンサーの兼ね合いもあるのだろうけど、バンドのチョイスが金払って観てる身からすればきっついよ。変なバンド使うならせめてドラマだよ。やめようよ。
映画のエンディングって大事だよ。なるべく監督に選ばせてあげようよ。ジブリの「風立ちぬ」なんて最高だったやん。なんか本当に損だよ。

いかにしてキッチュでダサいおじさん的なものから身をかわすか 長久允:ウィーアーリトルゾンビーズ

一つの作品としても、そしてこれからの邦画への影響力を考慮しても、めちゃめちゃいい映画だったと思います。個人的にはシン・ゴジラ以来の大ヒットやで!
カメラを止めるな!」が一の矢だとしたらこの「ウィーアーリトルゾンビーズ」が二の矢かもしれませんね。あるいはカメ止めが吉田松陰でリトルゾンビーズ高杉晋作。わたしのたとえが下手。


最初はね、電通が二匹目のドジョウ狙って大失敗するんじゃないかと思ってたんですよ。バカにする気まんまんで観に行きました。電通出身のクリエイターである長久允が、まさに電通っぽい、才能の無い芸術大学生の卒業制作のような、偽アート感に満ちたキッチュな画作りと感傷的なストーリー展開をするのだろうな、という公開された情報を見た限りの予測があっているのか。
事前に公開した歌ひとつとってもキッチュ以外のなにものでもないじゃない。

 

でも全然ちがった。傑作だよこれ!


特筆すべきはレイアウトじゃないでしょうか。カメラの置き場所に実相寺イズム(庵野イズム)を感じます。変なところに置くなーと気付いたタイミングから面白くなってきました。いかに動かすか、という映画の命題から離れて、いかにおもしろい構図を作り出すか。そこに快楽を見出すタイプの監督なのだね。
あとファーストシーンでいきなりクレーンを使ったところから、「この映画もしかして金あるのか?」と驚きました。さすが電通様。それからずっと画面はゴージャスでしたね。(もしかしてiphoneだから安くすんでるのかな?だったらすげぇ)
子役の演技はほぼ捨てで、画面構成とカット割りはやめのセリフの切れ味で勝負って感じでしょうか。好みだしかっこいいです。目がチカチカするのでは、と心配だった色彩設計も問題なし。黒レベルも高めで意外とシャープ。キッチュな露悪趣味(クローネンバーグとかリンチとかのデヴィッドイズム)で押し通すのかとも心配しましたが、けっこう爽やかな表現が多くて安心しました。リリィ・シュシュっぽい部分あるなーと思ってたら最後はまんまで笑った。ラブ&ポップもかなり近いか。



音楽は劇中で菊池さんが言った通り。良くも悪くもないとこをちょうどついてる。耳に残るからバズりそうだね、ってだけ。だがそれがこの映画端的に表してる。絶賛でも批判でもないニュートラル。希望は無いけど絶望してんのもダセェってこと。ただの大衆ということなんだけどね。


【公式MV】WE ARE LITTLE ZOMBIES (映画『ウィーアーリトルゾンビーズ』テーマ曲)


悪いところもあります。前半30分笑いどころをふんだんに用意してくれているのですが、ことごとくすべってるような気がするのはわたしだけでしょうか。センスの問題なのでしょうがないんですが。つかみは設定の時点で大丈夫なのでそこまでふざけなくてもよかったのでは、と感じました。ちょっと最初の方は全カット笑いを取ろうとしてる感じが、必死感が出ててその……うーん。

あとダイアログが決してうまい訳では無い。監督は言葉の人ではなく、あくまで映像の人ですね。

あと唐突なホームレスのミュージカルシーン。ちょっと意味不明でした。バンドやる理由を無理矢理作った感じが……
細かいところでは、SHINEを死ねに読み間違えるってネタ。

コナンでもやってたし、実際のいじめでもあったっぽいね。パクったな貴様!とは言わないけど、ネットでもこすられすぎて新鮮味がないのは事実。監督は実体験だって言ってるけどどうなんでしょ。うーん。


それを補って余りある映像のセンスの良さ!ここまで盛りだくさんでやられると、どんだけ金あったの?と勘繰ってしまう程にいい。ビデオコンテを作ったそうらしいんですがどの程度作りこんだのかぜひ見てみたい。すごいんだよ!ほんと!

あと大筋で、ことごとくありがちな大衆向け映画の方向へ行くとフェイント入れてから華麗にかわしているのがすばらしい。シン・ゴジラで恋愛要素を外した庵野イズムをここでも感じる。でも本作は作中でやってる。センタークエスチョンとして「ヒカリは感情をとりもどすのか?」があるけども、安易に仲間との友情に目覚めて取り戻すとか、音楽の力で取り戻す、みたいなパターンを選ばなかったのがすごくいい。中島セナは幽霊で男三人の母親の集合体でした、なんてオチも高速で「ダッサ」の一言でぶったぎるのよ。
余談ですが本作を観たエヴァの呪縛から逃れられない30代男子は、次なる綾波レイ(アスカも)兼自分を叱ってくれる母の代わりとして、中島セナを発見するであろう。みんなにやにやしている気がしますね。俺のことだ。キモいだろ。

また電通が34歳の監督に撮らせたことがすごい。あの会社のどこをどうやったらこの映画ができるんだろ?どの層を狙って資金集めしたのか見当がつかない。「カメ止め」ありきかしら。はじめから海外の賞ねらいかも。
アート思考のシネフィルはこの映画嫌いだろうね。極端にアヴァンギャルドなことはやっていないから。バランスのとり方が上手いのであって、それをうらやましいと思うか、しゃらくさいと思うかでこの映画の感想は変わりうる。わたしは最初しゃらくさいとおもって斜に構えてました。でも観おわった今は素直にシャッポを脱ぎます。ここまでいろいろやられたらねぇ。すごいよ。


電通に嫌悪感あることが既にダサいのか。それとも電通はダサいままでこの映画だけが特別なのか。「鬼十則」とかダサすぎておもしろかったのに変わったのか電通は。化石みたいな。まだ汐留には過労死寸前の電通マンが蠢いているのだろうか。

長久允という人は髪を三つ編みにしたり今風のセルフブランディングを行える人で、それが恥ずかしくないみたい。(自意識がいい意味で無い。とても健康的だと思う)
この点から言っても既存の映画人からは新しく見える。この「新しい感じ」が何よりも大事で、それが投資したくなるトリガーになるか否かは自分はお金ないのでわかんない。とにかく斜に構えるより全然素敵。宮藤官九郎がシーバスリーガルの広告でダサいおじさんになってしまった(宮藤官九郎が響くのは同じおじさん。NHKに起用されたことで顕著)ことがショックな人はこれを機に長久さんに乗り換えては。


ともかく本作が「カメラを止めるな!」レベルにヒットすれば、邦画の状況が変わると思います。お金持っているおじさんたちが「カメラを止めるな!」で気づいて、「ウィーアーリトルゾンビーズ」で確信に至る。それはアヴァンギャルドなアート映画には出来ないこと。キッチュゆえの勝利です。(アヴァンギャルドは負けの美学なのでそれはそれでよろしい)ただキッチュになりすぎずに華麗に身をかわしている。その軽いフットワークこそがこの映画の魅力なのかもしれないですね。

質はどうあれ、これから彼のような若手クリエイターにお金がどどっと入ってくるかもしれん。ということです。スタージョンの法則でいえば、100作あれば5作は傑作が出来るはず。電通の人はカメ止めレベルを期待しないで我慢強く投資し続けてください。(無責任)
蜷川実花小栗旬使って太宰を撮らせるなんておじさんの発想そのもの。ダサいのもいい加減にしなさい。
最近のガンダムゴジラグリッドマンエヴァウルトラマン等のおじさん発案拡大再生産路線、日本文化のどんづまり感がすごい。売れないものが作れなくなってしまったということか。
資本主義おじさんを無視して売れないものを平気な顔して作る押井守大先生、助けてください。資本主義おじさんに負けないおじさんである小島武夫、がんばれ!
そして若い長久監督、超がんばれ!応援してます!


映画『ウィーアーリトルゾンビーズ』予告編(2019年6月14日全国公開)

 

 ただ、これが一番新しいのかと言うと疑問だよなぁ。

自分がそうだから分かるけど、この映画は30代のおじさんがものすごく正直に作った私小説的な作品であって90年代に少年だった男にのみ響くものが少なからずある。

今の少年たちはゾンビどころかもっと得体のしれないかっこいい化け物になってるかもよ。

 

WE ARE LITTLE ZOMBIES

WE ARE LITTLE ZOMBIES

  • 発売日: 2020/02/05
  • メディア: Prime Video
 

 

リンチ作品にしかないものが確実にあるんだけど、それが何かはわからないの デヴィッド・リンチ:ブルーベルベット

若い男の子が息子と夫を人質に取られているメンヘラエロおばさんとエロいことになってしまい、最終的に事件を解決する話です。
リンチの中ではかなり観やすい部類の作品だとおもう。ストーリーを普通に追っていけばわかる造りになってます。時系列シャッフルも無し。


そんな話なのですが、リンチ節というか、名状しがたい不安感をあおる画作り、音楽が魅力的過ぎるせいで、正直ストーリーはどうでもいいというか……内容は何でもいいから一生観てたいというか……

 

オープニングは何回観ても苦手です。苦手というのは嫌いという意味ではないです。

ただ虫が苦手で……絶対映画館で観たくない。
オープニングに虫が出てくるのはワイルド・バンチも同類。

やめて。
あとローラ・ダーンの顔も虫と同じくらい苦手です……
そのかわりイザベラ・ロッセリーニのはエロい顔、身体、さいこうです。

ドンタッチミー!と叫ぶシーンは若干ベッキーです。


あとは何といってもデニス・ホッパー

フランクって名前のサイコ野郎は、村上龍「インザミソスープ」にも出てきたな。

この映画のせいで再読したら顔がデニスホッパーになっちゃったよ。

洋画の悪役としては「レオン」のスタンスフィールド、「ブレードランナー」のロイ、その次に好き。

 

映画史上一番笑えるレイプシーンがあります。
撮りながら監督も笑ってたとか。
無理矢理やられている女性には申し訳ないけども、セックスというのは性欲抜きでみてみると大体滑稽だと思います。
男の必死さもなんか笑える。「人のセックスを笑うな」って言われても無理だょ……

 

やばい奴ら、チンピラの集団、というのは映画に出てきがちですが、この映画のチンピラたちは今まで見た映画の中で断トツで怖いです。

なにするかわからない。会話が通じない感じ。一般人との価値観の差。コミュニケーションの内容が違う。これはなんかもう、この映画独特なものです。

「こいつらなんなんだよwww」って笑って観れますが、絶対に会いたくない。怖すぎる。


そういや画面サイズがシネスコっすね。シネスコは車内のシーンが似合うね。


歌のシーンがいくつかあるのですが、ほんととんでもなくイイです!
リンチの作品は歌もすばらしい。自分は映画には歌とダンスのシーンが欲しいタイプです。

ワイルドアットハートのニコラスケイジは笑える。

マルホランドドライブの泣き女はすさまじい名シーン。


Dorothy's first song in Blue Velvet

 


ララランドみたいにプロじゃない俳優が歌うと笑えない出来になりますが。

(なんであの映画ジャズジャズうるさいのに劇中でジャズをやらないのだろうか。ピアノもダンスもひどいし。その癖にテイクオンミ―馬鹿にしてるし。クソ映画)

それに対してダンサーインザダークのビョークはやっぱ歌唱力といい表現力といいすごいよね。音楽への愛に溢れている。

 

感想ブログ書いといて何ですが、マジでリンチの魅力ってなんなんだろう……と考え込んでしまいます。
難解だから好き、という厨二感も無きにしもあらずなのですが、わけのわからないものを観たいという思いが強いのかもしれません。
わからないものはわからないままにしとくのが私流です。

わけわかんないのに、わけわかる映画より面白い気がする。
こういうわからない映画に出る俳優ってどういう気持ちなんでしょうね。

押井守が天才と認めた監督がリドリー・スコットとリンチですが、リンチの頭の中はどうなってるかマジでわからん、みたいなこと言ってましたね。
天才というか価値観があまりに我々凡人とかけ離れているのでしょう。頭のどこから出て来たの?ってシナリオばっかだよ。

どうやら瞑想で得たアイディアを使っているらしいのですが。考察はしません。

生理的嫌悪感、恐怖、性描写、暴力、不安などの感情とコンシャスな方はぜひ観てみよう。
ゾワゾワ来ますよん。

やっべー書いてて観たくなってきた。
今から観よう。(まじでなんでだろう)