尾見怜:五〇九号分室

小説・映画・音楽の感想

ポーカー映画ではフルハウスもっててもオールインしてはいけない シャツの着替えも用意しとこう マーティン・キャンベル:007 カジノ・ロワイヤル

ポーカーとスパイ映画好きとして時々見返したくなる映画。
カジノロワイヤルは原作でも第一作なので007のエッセンスが凝縮されてますな。
偉大なるマンネリズムといか、まだやってんの?と言われてもしょうがないシリーズなんだけども。もうやることないでしょう。アストンマーチンの新作を観に行くというのもありだな。ボンドカーがEVになるとものすごい静かなカーチェイスになりそうで見てみたい。カーチェイスの魅力って3割くらいエンジン音だと思っているので。"
イアン・フレミングはもうとっくに亡くなっているので、007はドラえもんとかクレヨンしんちゃんに近いかもしれませんね。新作作成中(2019年3月現在)ということなので不安9割、期待1割ってかんじ。

テキサスホールデムのテーブルで、扱うお金が10万ドル以上になるとチップじゃなくてプラスチックのカードになるんですね。

AKフルハウスにJクアッドで勝っちゃうなんてポーカー上手いというか只の剛運なル・シッフル。顔も微妙になさけなくていい感じ。

オールイン勝負で負けたら立ち直れないのがふつうだけど、
われらがボンドは国にもCIAにもタカることができるヒモ体質。負けた後も一通りアクションをこなし、人を3人ほど殺した後CIAと手を結び、
毒を盛られ、ゲロを吐き、自分で自分にAEDをし、どんなに危機があってもシャツを着替えてテーブルに戻ってくるのがかっこいい。正直どれだけ負けても、殺されかけてもテーブルに座り続けて敵をにらみつけるダニエルクレイグを観るための映画なんでしょう。イギリスはボクシングの国ですから、そういうタフさがもてはやされた時代の作品なのねん。ほんとにかっこいいのよ。

どんなにしんどくても音をあげないのがイギリス流。ダイ・ハードマクレーンは見習え。あれはあれで笑えるけど。

ラストの舞台をヴェネチアにしたのはさすが超大作。画が素晴らしくて、かつ水責めが出来るのでバトルにも最適というロケーション。車使えないけどね。

ポーカー映画ではフルハウスもっててもオールインしてはいけない。それは別のポーカー映画マッドデイモンがめちゃ若いラウンダーズでもそうです。


第3幕のヴェネチアはまあ、ポーカーのシーンほど面白くは無いです。普通のスパイ映画のプロットに戻るだけなので。ただロケ地がすばらしいので、銃撃戦と水責めを楽しんでおわりかな。
ヴェネチアが舞台の作品では本作とジョジョ5部がおすすめ。


もっとポーカー映画増えて欲しいですね。ギャンブル強い男はかっこいいです。


藤原正彦「国家の教養」読んだらやっぱすごかった

国家の品格」も良かったけどこの人はユーモアの大事さを分かっていていいなぁ。イギリスで働いたことがある人はなんか一味違いますね。ボンドのユーモアはイーサン・ハントのそれより好みです。
近代的合理精神に心身ともにやられている人たちはみんな読もう。
個人的に先進国ではイギリス>>北欧>>イタリア・ドイツ>>>>フランス>>>>>>アメリカ (カナダはようわからん)が好きですね。文化的にも政治的にも。
アメリカは比較的若い国っていうハンデもありますが。

 

カジノ・ロワイヤル (字幕版)