尾見怜:五〇九号分室

小説・映画・音楽の感想

唯一無二のメンヘラヒップホップ:Portishead:Dummy

ヒップホップが秘める多用性に唖然とする大傑作。

スーパーダウナー系。寝る前に是非。

わたしのヒップホップにもつステレオタイプは、黒人のガタイのいいにーちゃんがエロいねーちゃんはべらして、キャップかぶってだぼだぼの服着て、
金ぴかのネックレスつけて、すげぇ自己主張を垂れ流しているイメージ。
違いますよ、ことPortisHeadに関しては!初聴きのときはたまげましたよ。

地味な恰好をした今にも自殺しそうな白人美女ベス・ギボンズが、か細いファルセットで過度に暗い歌詞を紡ぎます。ヒップホップなんだけどね。
本作は「スパイ映画のサントラ」というコンセプトだそうで、そんな感じはします。とはいえ全編暗い。暗い。絶望的に暗い。
聴くと音楽の用途が限られているんだけど、内向、内省的な人はおしなべてハマると思います。

個人的にいちばんよかったのは#8「Roads」ですかね。歌ものとして素晴らしい。色っぽいよ。
一般的には#2「Sour Times」(タランティーノが使いそう)#11「Glory Box」(ギターかっこいい) が名曲とされてる感じでしょうか。

アルバムの全体的なイメージとしては、メンヘラの美女が雨の中で泣きながら夜のロンドンをふらふら歩いている感じでしょうか。徐々にテンポが遅くなっていくのも死を匂わせてて不吉。
そんな世界観に引きずり込まれるようなサウンド
音の数はかなりミニマルで、またそこらへんも好みなんだよなー。似てるアルバムが見つからなくて個人的に替えが無いアルバムです。一生聴くと思います。
トリップホップ」というジャンルが示す通り、通しで聴いていると下向きのベクトルでトリップできますよ。退廃的な雰囲気がなんともよござんす。

あとジャケットがこわい。こんなアルバムを作るイギリスと言う国がこわい。これが売れるのもこわい。


Portishead - Roads


髪ボサボサで未亡人みたいな色気。

日本の自称メンヘラ女子はこれを聴いて気分高めて欲しい。

 

 

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