尾見怜:五〇九号分室

小説・映画・音楽の感想

2022-01-01から1年間の記事一覧

リーマン殺すにゃ刀はいらぬ、深夜特急読ましゃいい 自由への招待に君は抗えるか 沢木耕太郎:深夜特急

小説や映画や演劇など、「物語」の用途の一つとして、「非日常を提供する」がある。非日常への欲求っていうのは切実で、無いと結構やばいかもしんない、とは思う。自分としては社会と関わるといろいろと減る。体力気力メンタル。 異世界で満たされぬ欲求を疑…

それ本気で言ってんのか? と疑問に思った不穏な女児向けアニメのOP 岡崎律子:夢見る愛天使

夢がいっぱい フリルいっぱいお願いよ ウェディング・ドレス ママのように素敵な恋 見つかるかしら 私は小学生だったが、セーラームーンの後に始まった「愛天使ウエディングピーチ」のOP、この歌詞に疑問を持った。一緒に見ていた姉はセーラームーンではない…

近代文学の金字塔で我が邦の宝 読める幸せをかみしめまくり 川端康成:雪国

こういう小説が書ければもう満足でしょう。私も何億歩も後ろにいますが、先にこういうものがあると思って歩いてます。 SF小説などを読んでいるとダイレクトな表現とあきさせないテンポに慣れてなんとなく読めなくなってくるよね。自分でもバランスが崩れてい…