尾見怜:五〇九号分室

小説・映画・音楽の感想

2023-01-01から1年間の記事一覧

久しぶりの独白スタイルは平凡かつ快適 刺激抑え目のフィンチャー節は健在で今回はアクションも良し デヴィッド・フィンチャー:ザ・キラー

新作が出たとのことでネトフリを1か月契約して観た。感想としては、好きだし面白いのは前提として、画作り贅沢さそのままにちょっとしたおふざけが、完璧主義者フィンチャーもさすがに年取っていい感じに力抜けたんだな、というところ。セブンやファイトクラ…

ギャグもキレてるが「カッコいい」がつまったSF時代劇 本郷みつる:映画クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望

SFとのファーストコンタクトは、映画クレヨンしんちゃんだった。 BTTFでもスターウォーズでもなくターミネーターでもない。なんならスターウォーズもしんちゃんのパロディである通常放送のスペシャル回、クレヨンウォーズ(ライトセーバーを股間に挟んでたた…

受信してくれる一部の人への愛を歌うアウトサイダー エリオをかまってちゃん:Os-宇宙人

ほら不安定 バイトできない 会話できない 空見上げるサボり学生 パジャマ着てる 夏休みが 来ずに中退 愛してくれるかなと 狂ったりしてみると みんなが叫ぶなかでぱちくり見ているあなたが居たから 名曲だと思う。歌詞も演奏もすごくいい。人間関係絶望的な…

小説を読む理由探してる人、ここにあるよ! ストイックなほどに下世話、登場人物みんなクズ  阿部和重:シンセミア

小説を読む読まないでいったら、自分は読む方だと思います。ただ小説を読まない人の気持ちもわかります。面白くないものにたまたまあたってしまって、そのまま食指が伸びない。読みたいんだけどね…みたいなこと言ってる人多い。そんな人に勧めるのが阿部和重…