尾見怜:五〇九号分室

小説・映画・音楽の感想

ミニマルな日本語と構造が気持ちいい この後を知りたいけどそれは野暮ってものです 永井龍男:「青梅雨」

打ち切りマンガよろしく、「えっ、ここで終わるの!?」という気持ちになる小説は結構ある。


エンタメだと怒られるので、純文学のほうに。

この脱力感というか、置いてけぼりにされたような感覚。

好きなんです。


エンタメの基本なんか無視でいいので、そんな尻切れトンボな切ない気持ちに浸りたい人にはもってこいの短編集がこれです。
文章が粒ぞろいの短編ばかりでどれも切れ味半端ない。
正直言って、端正な文章なら永井龍男がいちばんなんじゃないかな、とおもっている。
とにかく無駄がないんです。

なんなら、物語的に構造上必要だろ、と考える部分も欠けている。
起承転結の起承で終わってる感じの短編が多い。このあとどうなるのだ……とおもった途端にズバッと物語が終わる。


この終わる瞬間。唐突に終わりが訪れて取り残されたような感覚。


ふしぎなものでなんだか気持ちが良いのであります。


この感覚を初めて味わったのは川端の「雪国」のラスト。あれもピシャンと唐突に終わってなんだか寂しくなったのを覚えている。
こういう小説っていまあるのか。おそらく書き手が居ない。


作中で曖昧に匂わされる結末は、想像できるようで出来ない。不穏な空気がなんともきもちいい。真似してぇなぁ。でも出来ねぇんだろうなぁ。
文体には一部のスキも無い。癖の強い文体ばっかり好んで読んできた自分としては、正反対の方向で好みのタイプを見つけてしまった。
巻末に川盛好蔵の解説に、「無神経な言葉、粗雑な言葉、生煮えの言葉、気取った言葉、こけおどしの言葉はこの作者の最も嫌うところ」とある。
かっこいいよ永井龍男

ミニマルだよ永井龍男

多分ずっとファンでいるよ。

ちなみに、永井龍男村上龍の「限りなく透明に近いブルー」への芥川賞授賞に抗議し、選評「老婆心」を提出したのち芥川賞選考委員辞任を申し出たらしい。
あの村上龍の挑発的であけすけな文体は彼の好みと相いれないだろう。
どちらが好きと問われれば、どちらも好きよ。

文学ではポリモアリストを気取ろう。

新人賞の選評でケンカしている審査員をおもしろがろう。

どうせ文学なんて、結局のところ誰もよくわかんないんだからさ。

 

※ダラダラ続く物語についての考察

 

ダラダラ続く物語がきらいだ。

アメドラやジャンプの対策漫画に代表される。

永井龍男の対義語が上記のようなダラダラ物語だ。

はっきりと、依存症ビジネスであると思う。(netflixは構造からして依存させるようにつくってある)

ギャンブルやドラッグ(アルコールやニコチン含む)、過度なポルノと同等レベルに邪悪であるとも思う。(あくまで個人の感想)

私は長い作品を否定しないが、作品にファンが依存させる構造は大嫌いだ。

その点ではアイドルも同じ。

消費せざるを得ない構造をあらかじめ設計しておく、というのが許せない。

どれだけ快楽を与えていても、それは罪だ。

だから私はジャンプを卒業し、アメドラにもアイドルにもアメコミ映画にも興味を持てない。

儲かるんだろうけどそんな卑怯な真似に貢献したくない。

作品とは人に寄り添い、人生を変えてしまうほどの影響力を持つものだが、ただ金と時間を奪い続けるものに関しては有害である、と断ずる。

私は依存症ビジネスの上客には絶対にならない。多分だけど。

 

青梅雨 (新潮文庫)

青梅雨 (新潮文庫)

  • 作者:永井 龍男
  • 発売日: 1969/05/19
  • メディア: 文庫
 

 

狂気の極北アニメ 水島努・おかゆまさき:撲殺天使ドクロちゃん

ぼくこのアニメ一生みていられる!
鹿目まどかの亜種に殺されるのを楽しむためのイカチイアニメーションです。
まったく頭を使わないタイプの作品なのでさらっとdアニメストアで観れるから観てみよう。
10分で作ったような電波ソングの魅力もさることながら、本編も最高。
1話でいきなり流れるBGMが、どう考えてもサティのジムノペディをちょっといじっただけのやつ。何もかも適当で笑える。OVAってユルくていいよなぁ…
開始1分で主人公が殺される。そのままのスピード感でエロとグロギャグが繰り返される。血が噴き出す勢いが消火栓ぶっ壊したみたいで面白い。ちゃんと画で笑わせるタイプのコメディなのです。
基本的にヒロインであるドクロちゃんとのコミュニケーションは成り立たない。
クッソ面白い。クッソ面白いんだ。
そもそもアニメやらラノベというものはこういうものじゃないといけない。
芸術作品ではなく、低俗な消費財でなければならない。
実写や小説ではできない頭の狂った展開をやっていい場所のはず。
なろう系をつまらない、くだらないというのはおかしい。
そもそもくだらないものなのだ。玉石混交の中のいびつな石。
その無意味さがいいのだ!ワンパターンさがいいのだ。

変に質が高いものはいらない!


9割9分萌えとエロとグロと支離滅裂だ。

こういうクオリティとは無縁なアニメは無くならないでほしい。多分心配いらないけど。
原作を最初に受け取った編集者は、読んだときにアレな人なのか才能なのか悩んだそう。
それで、おかゆまさきに電話をかけてみたらちゃんと受け答えができたので、安心して出版を決定したそうな。
それくらい原作は初見だとビビる。恐怖を感じる。"
※近似アニメにごっつええ感じの「きょうふのキョーちゃん」がある。こちらはグロとシュールギャグ特化。
この時の松本人志は誰がどう見ても天才だったので必見。多分ようつべに落ちてる。"

激しく躁鬱的で狂ってるアニメだけど案外ちゃんとストーリーがあったり。
大枠のストーリー展開的には「うる星やつら」である。
明示的にドクロちゃんの読んでる漫画や、OPの歌詞に示されている。
未知の世界の住人が日常に飛び込んでくるというパターン。

主役の桜くんはスケベな男子である。
もうアニメに出てくる男キャラクターは「スケベ」という属性さえあればいいんじゃないか、とおもったり。
そもそも官能小説に出てくる男性キャラはスケベしかいないし。エンタメではスケベじゃない男性を主人公に据えると話を転がすのが非常に難しかったり。
エロが物語の原動力だとスタートダッシュが違うよね。ぜったいに続きみたくなるもんな。Ex.チェンソーマン
優しいとか面白いとか、女性的に魅力的な男性の性格っていうのは極論「スケベ」に集約されると思うんすよ。
んで魅力的では無い性格はタナトス、つまり死の欲動ですから、暴力、やけくそ、ギャンブル、酒乱などなど。
つまり、エロくてカッコよくて躁なキャラは「リビドー」的なキャラ(エンタメ主人公)、無気力でキモくて鬱な「タナトス」的なキャラ(文芸の主人公)に別れるのでは? なんておもいます。
バディ組ませたらエンタメも文芸もどっちもいけるよね。映画の「セブン」とかね。
リビドー的。つまりアメリカ。アメコミ。ヘミングウェイ
タナトス的。つまり日本。碇シンジ西村賢太。どっちが好きって言ったら間違いなく後者なのだが。

ちなみに私はラノベと言うのは官能小説の亜流であると考えている。編集者がタイトルを考えるなど、作り方に近いものがあるし。
官能小説の構造を持ったジュブナイルポルノが生まれて、激しいエロを抜いて大衆化し、ゲームの要素を加えたのがラノベだ。本質は官能小説である。
純文学やエンタメ小説とは根っからちがうのです。
ラノベと混同されやすい萌え四コマは根っこはギャグマンガである。性質が似ていても親が違う。エロとギャグは親和性高いけど。

このドクロちゃんにも根っこにはエロとタナトスがある。これ以上人生に何が必要なのだろうか。(いろいろ必要だろ)

水島努がもっとも笑いにおける間が上手いアニメ監督だと思う。次点で押井守。正直ぶらどらぶは不安だが。

 

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お金の匂いのしない音楽ってステキ big thief:U.F.O.F.

とにかくアルバム表題曲に一目ぼれして買いました。リピートで聴き続けてますよ!
私はこのサブスク全盛の時代にCDを買う。CDの生産止まるまで買う。
マンガはkindleなんだけどね。CDってガジェット自体が好きなんだろうね。レコードみたいに高くなっていいから滅びないでほしい。

ミッドサマーでよそ者殺してそうなビジュアルの4人がUSインディー・フォークの雄、Big thiefです。
なんだかアメリカのバンドなのにヨーロッパっぽいね。北の方の感じ。

UFOFの意味は、UFOのFriend、異星の友、って感じらしい。
戸川純かよ。
結構歌詞は電波系でめちゃ内省的な歌詞書く。
内省繋がりか知らんがBig thiefをyoutubeで聴いてると、おすすめにトム・ヨークのキモい顔が出てきます。Googleやめてくれ。

トラッドだけど凝ったフォークサウンドにたくさんの声色と髪型のパターンを持ったボーカルが特徴。
UFOFのアルペジオを弾いてみたけどなんか変なコード展開だよ。

ちょっとこのギタボはめっけもんですよ。ジャニスジョプリンかってくらいのスターにじゃないすかね。

 

下の動画ではエイドリアンちゃんがデス声出せることが発覚。超絶エモーショナルで好き。


Big Thief - “Not” (Live from The Bunker Studios)


もはやジャンルなんて無い。人間ロックしたい時もあるという事です。ちなみにこの曲はUFOFのアルバムに入ってないので注意です。
あとスタジオがすてき。
あとベースの髪がドラクエ6のバーバラに似てる。

これから大注目のバンドですね!

 

 

U.F.O.F. [輸入盤CD] (4AD0129CD)

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無関心と労働者階級とカトリック 軽いB級映画に重いテーマをぶち込みまくった快作 トロイ・ダフィー:処刑人

自分が腐女子だったとしたら。
この映画でアンソロとか二次小説とか作りまくってたんじゃないかしら。なんせイケメン双子兄弟モノである。
なにせキャラが濃い。これマンガだよ。大衆向け娯楽である。ハッピーエンドで終わればいいじゃん。
なのになぜ最後こうなった。

ボストンに住む労働者階級の信仰心の強いやんちゃ兄弟の話です。
お兄ちゃん。ワイルドイケメン。相対的に賢く見えるがバカである。必殺技は便器落とし。映画好き。
おとうと。やんちゃイケメン。兄よりもバカである。コミュ強。分断されたアメリカで荷物運んでいそうな顔つき。
ヒロインの立ち位置にはイタリア伊達男系の外見のロッココメディリリーフも務める。作中一のバカである。
ヒロイン枠はもう一人いる。
FBIの凄腕捜査官でヴィランとしての立ち位置のウィレムデフォー。
男ばっかやんけ!
クラシック聴きながら操作するところとスーツの色はまんま「レオン」のスタンスフィールドなプッツンキャラなのだが、
さらにゲイで女装癖持ちという属性が加わって作中で一番濃くて楽しい男になる。この映画の中で俳優の格としては一番上なので、やりたい放題やらせてもらったのかな。
Fワード言いまくりのアイリッシュパブの店主も楽しい。
どちらかというとプーチンに顔が似ててややこしいイタリアンマフィアのボスも表情豊かでたのしい。
脇役もことごとく魅力的なのである。

そんなキャラが濃くて見やすい本作であるが、いかんせんテーマも特濃。
映画におけるラーメン二郎である。まさにB級。バランス感覚という発想そのものが無い。
もしかしたら、名作なのにあんまり有名じゃない理由はこの点にあるのかもしれないな。

そして衝撃のラストからのエンドロール。
あれだけふざけたのに、あれだけ魅力的なキャラを配置したのに、最後ドキュメンタリーみたいになってるwww 
えいやでやってしまったのかな。
メジャー作品ではありえない。これは素人監督じゃないと撮れない。
アメリカ文化はあまり好きではないが、こういう裾野の広さは好きである。
最後のエンドロールで、罪と罰という人類永遠のテーマについて強制的に考えさせられることになる。思いっきりエンタメ作品なのに。結果気持ちよく終われないのである。

「処刑人」というおどろおどろしい邦題のせいか、腐女子にはあまり見つかっていないが、少数の玄人は知っている。さすが。↓
https://womanlife.co.jp/topics/1098166

ちなみに大学時代この映画の影響でTシャツに直で黒のピーコート着てました。恥ずかしい。

 

処刑人 [Blu-ray]

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  • 発売日: 2010/12/22
  • メディア: Blu-ray
 

 

ポップカルチャーが通奏低音である世代が作り出した ぼくたちのバンド革命 相対性理論:シフォン主義

物心ついた時、夕方にはアニメが当たり前に放送していて、時々ジブリやディズニーなんか観つつ、任天堂のゲームに時間の大半を費やしていた。
ジャンプではワンピースとハンターハンターがしのぎを削り、とても勉強などしていられる場合じゃなかった。
ゆとり教育に甘やかされつつ、大人たちの古い価値観を華麗にかわしながら、退廃的で快楽主義で、それでいてハイレベルな娯楽を浴びてきた。
そんな子供時代を送ると、こういう音楽が響いたりするのだ。
2006年結成のバンド、「相対性理論」は90年代の申し子である。(なんかライナーノーツみたいで恥ずかしくなってきた)

このアルバムは彼らのファーストミニアルバムで、タワレコのインディーズチャートで1位を獲得したらしいですね。
自主製作らしい。一発目でこのクオリティですか。
邦楽ロックのなかで、エリート中のエリートであるといえる。高校野球で言えば藤浪とか。
そんなにがすごかったのか。
まずベースでありリーダーでありメインの作詞作曲者である真部脩一。
ゼロ年代風のサブカル+ネット+ゆとり文化を意識しダジャレを駆使した歌詞。バンド名からわかる通り理系丸出し。
ほんでボーカルのやくしまるえつこの存在。
現在はウィスパーボイスを前面に押し出して萌え萌えなボイスでおじさんたちを挑発する楽曲が多くなったが、
このアルバムではなにしても無感動なガキみたいに世間を突っぱねたような歌声である。何にも感情がのっていない。
私にとっては、相対性理論というバンドは真部脩一の曲+やくしまるえつこの声。それに尽きる。
最大の特徴がここ。
自分たちの一つ上の世代が敬愛する尾崎豊長渕剛、あるいはメタルバンドなどが、異文化としてしか感じられない私。(満33歳の1987年生まれ)
このバンドはえげつないくらい響いた。我々の世代の音楽はこれである。
TSUTAYAで借りてきた大学生の私は#1「スマトラ警備隊」のイントロのギターで「あ、これはいいな」と直観的におもった。多分一生忘れない経験なのであります。
同じ価値観の人間を見つけた感じがした。
#2「LOVEずっきゅん」のアウトロのベースは一度弾いてみたい。たのしそう。


相対性理論『LOVEずっきゅん』


日常系アニメを文字通り日常的に見て慣れてしまった我々にとってはこの声と詞はポカリスエットのごとく浸透する。
真部さんが抜ける前の相対性理論はいいよ。おすすめ。

話はかわりますが、当たり前だけども現代文化のポピュラリティというのはネット登場からものすごいスピードで質と量が変化するようになった。
現代のポピュラリティに私はジェネレーションギャップを感じている。
今のメインストリームは多分Youtuberだ。他にはなろう系ライトノベルスマホゲーなどなど。質の高低を別にして多様化し、量も爆発的に増えた。
私はその変化に置いて行かれたと自認している。
ポピュラリティから置いてかれてるおじさんだ。
ダサい。そんなのやだ。たのしくない。
ではポピュラリティに対するカウンターとしてタコツボにひきこもった冷笑系オタクか、批判ばっかりの偽エリート左翼になるのか。
でもそれもイヤだ。死ぬほどダサい。
結果、自分のスキだった90年代末~2010年代初めくらいの文化をループして摂取しつつ自慰するしかないのだ。老害に見えないよう細心の注意をはらいつつ。
悲しい。でも私にはそれしかない。

でもあたらしいコンテンツの魅力が分からなくなっても、くらいついていきたい気持ちもあるんだよなぁ。

 

 

シフォン主義

シフォン主義

  • アーティスト:相対性理論
  • 発売日: 2008/05/08
  • メディア: CD
 

 

これ以上ないほどにエログロ! タイトルは声に出したくなるよね 野坂昭如:骨餓身峠死人葛

ほねがみとうげほとけかずら。
ほねがみとうげほとけかずら。

骨餓身峠死人葛ですよ。

 

 


骨餓身峠死人葛ですよ!


日本一かっこいいタイトルの小説なんじゃないすかね。
どれだけおぞましいものが書けるかという実験なんじゃないだろうか。すごいよ。
差別アリ、暴力アリ、性描写アリ、これぞエンタメなんじゃないですかね。
この小説は野坂昭如の中編です。
文体はいわゆる野坂文体で、映像的な描写が句点だらけ、読点ぜんぜん無しでやってくるので、いつも読んでいる文の倍以上長い間読み続けるようになり、
なんだか精神的に息が続かないというか、その文体が舞台である戦中の炭鉱を表しているともおもわれ、文中で平気で主語も変わるし、基本酷い事しか起きないので、なんだか読んでいて逆にハイになってくるという代物。(一応まねしてみた)
食料が枯渇つつある九州北部松浦郡あたりの炭鉱という、おどろおどろしい場所のセレクトがまたいいっす。骨我身なんて地名あるんすかね。
表題は、炭鉱で死んだ者の墓から生えてくる白く美しい葛の花。その名も死人葛。こわい。
その葛の実が栄養たっぷりで、戦後の食糧難におけるソリューションと化す。
でも単純にやったー、というわけにはいかない。
この葛、死人を埋めた土からじゃないと生えない、っていうのが悩みなんすよ。
さてどうするってんで、赤んぼ作って殺せばいいじゃん。それ死人じゃん。死人葛生えるじゃん。いいじゃん。という発想になり、
そっからは大乱交&出産&赤ちゃん殺しまくり。徐々に狂っていく人間たちをそれはそれは丹念かつハイスピードで語る。
なんてこと考えるんだ。野坂さん。
主人公は「たかを」というかわいい女の子です。「たかお」じゃなくて「たかを」ね。
この子がさいしょに死人葛に魅入られて狂気を帯び、最終的に炭鉱の人間全員おかしくなっちゃう。
文体はいわゆる野坂昭如の真骨頂。句点でお構いなしに文をつなぎ続けて、疲れたら読点つけるみたいな、黙読してても息切れしてしまいそう。
ずっと「。」がこないから、なんだかそこまでたどりつけないような息苦しさがある。(なんなら読点が無いページもある)
村上龍なんか影響受けてんじゃあないですかね。
てにをはを省くので、なんだかリズムが講談師みたい。それが心地よく癖になる。
この文体はおどろおどろしいところに良く似合う。後半なんか1ページにひとつしか読点がない。
うわーーーーっとえぐい情景描写がダイジェストのごとく次々と襲い来るもんだから、興奮しちゃうよ。
おそるべきドライブ感。
いやーとがった文体ってほんとにいいですね。普通の文が味気なく感じるよ。辛いもの好きみたいで麻痺して際限ないよね。
ラストは犯しまくり殺しまくりで、さらに炭鉱が水に沈みなにもかも終わり。
流される死んだ主人公であるたかをの股には卒塔婆がぶっ刺さっているという狂気のビジュアル。これで終わり。こっわ。最高かよ。
なんだこれ!映像化してぇー!!してよー!

 

 

 

本邦最強変態バンドの集大成 NUMBER GIRL:NUMーHEAVYMETALLIC

 

2019年に再結成!ほんとうれしいうれしいうれしいうれしいよー 今ライブ観に行けないけど…
わたくしが一番好きなバンドの一番好きなアルバム。たぶん一生変わらないでしょう。オールタイムベスト。本邦が誇る最強オルタナティブ・ロックアルバム。
唯一無二。初めての感覚。ベストオブ和ロック。

都会の孤独感、性欲などを織り交ぜた抽象的な歌詞。焦燥感と狂気溢れ、ボーカルをかき消すような極極(キワキワと読む)のサウンド
全員が代わりの効かないメンバーで構成されているほんとうに特殊な音です。なんつうか唯一無二。だから類似バンドがありそうでない。(フォロワーはいっぱい居るけどナンバガ成分を補給できるかと言うと無理)
わたしのiphoneの画面はずっと田渕ひさ子様と彼女の愛機であるボディが削れたジャズマスターです。ちなみに私の愛機もフェンダージャズマスター
田渕さんの舞台上のカッコよさって何なんでしょうか。
神々しいですよね。集中した女の人の表情っていいよね。
涼しい顔してえげつない音だしてる様がほんとかっこいいぜ。ほんとすげえのよこの人の音は。
ドラムスアヒトイナザワのドラミングはほんと何なんでしょうか。
もう歌ってますよ。アヒトはドラムで歌ってます。あの突っ込んだ感じ。もうようわからないくらいカッコいい。スネアの一発一発が爆撃機です。
ライブの時はシンバルがうるさすぎてやばいです。
このアルバムはドラムがえぐい。デイブ・フリッドマンはなんちゅう音作りをするんや。しびれる残響。
このラスト音源は確実に日本のロックを一歩進めました。具体的に言うと和風サウンドとラップ(念仏)を取り入れた。和太鼓のようなベース(想像できないかもしれないけど#2の「INUZINI」ではマジでそう)
でも注意してほしいのはナンバガはライブバンドであります。
ライブがこそ魅力の一つなのです。
再結成した今、あの狂気的なまでのカッコよさが再現されるかどうかはわかりませんが、若い人たちにも観て欲しいな~というのがおじさんの感想です。
Youtubeで、99年のライジングサンの「透明少女」、2002年のロッキンのライブ(全曲ベストアクト)あたりをためしに視てもらえるといいんじゃないでしょうか。あのイントロ!きらきらしてますよ!
「ロック」という言葉は半ば嘲笑の対象になってるかもしれないけど、それはロックがちょっとダサくなったから。(ちょっとだよ)
ナンバガはロック。それも、ものすごいかっこいいロック。ロックはカッコよくないといけない。
カッコいいというのは、カッコつけるという事ではないのです。

ジャニーズがロック風の曲をやってもロックではないのはそのせい。(偏見)
ロックの難しいのはカッコつけずにカッコよくないといけないことです。


ナンバガはそれができてんの。

ダサカッコイイともわけが違うの。

ほんと文字通り身体がしびれるほどカッコイイの。
肉体的な音出してるわけ。人間が出る音なんすよ。

4人の性格が出てる。ぎらぎらのキワキワ。

ナンバガの音源はほぼ2014年にリマスターされている(ビートルズかよ)のでリマスター買った方がええよ!ライブ盤ついてくるしね!
あとジャケットもこの世のCDの中で一番好きだったり。PCの壁紙に一時期してました。

まあ、なんていうか……リマスター盤出てるからみんな買おうってことやね。

 

NUM-HEAVYMETALLIC 15th Anniversary Edition

NUM-HEAVYMETALLIC 15th Anniversary Edition

  • 発売日: 2014/06/18
  • メディア: MP3 ダウンロード