第4阿呆特急

一人旅をします。

香川県放浪② うどんの名店巡り~ 金毘羅詣リベンジ 奥の社

朝起きると4時。

普段吸わないタバコを吸う

我が旅館

香川県で初めての朝。とら丸旅館の布団は全く問題なく爆睡できた。

 

初めて香川で過ごす1日を考える。

この時間がまたいいのだ。外はまだ暗く、お湯を飲んだりしてだらだら過ごす。

 

独り占めの朝風呂に入りご満悦。

昨日買ったお饅頭とややぬるくなったお湯を広縁で飲みながら、普段吸わない煙草を吸い悦に浸る。これこれ。ええやんけ。

 

今日は午前を使ってうどん屋を回り、午後は金比羅宮の石段に最後まで挑戦する。

その流れで行きたい。



9時に旅館を出発。今日も快晴だし、いい時期に旅行ができたものだ。



まずはJRを使って、金蔵寺駅へ向かう。釜揚げうどんの美味い店があるらしい。

JR琴平駅を使うの初めて。

琴平駅 かわいい



だがいきなり電車を一本逃した。この旅行で初のミス。ただ慣れっこである。

時間などいくらでもあるし、別に行く場所にこだわりなど究極無いのだ。

得意満面で乗車後パチリ このあと違う電車であることに気づく



金蔵寺で降りて、香の香という、うどん屋に歩いて行く。

 

金蔵寺は、言っちゃ悪いがなんだか雰囲気が好きではない。

降りた瞬間、自分と合わない感じがぷんぷんした。

得てしてこういった勘は当たる。おそらくは天台宗などの密教の雰囲気。
私は天台宗真言宗などの密教よりの仏教が苦手で、曹洞宗臨済宗などの禅宗が好みである。ヒンドゥー教の呪術っぽい部分が嫌いなのだろうか。八十八か所巡礼も、お遍路の服装もなんだか、私の感性が異常なのか下品に感じてしまう部分があるのだ。おそらくこの金蔵寺駅周辺にも私を刺激する何かがあったに違いない。

何かと言われるとわからんのだが、明確にある。言わずもがな、新興宗教はすべて本能レベルで嫌いである。

 

香の香という釜揚げうどんの店だ。

道路の脇にかなり大きな駐車場と、土地を贅沢に使った平屋の店。

香の香 外観

釜揚げうどんは大して好きではないが、果たしてどうだろうか。

ちなみに結構移動で気持ちが萎えている。

 

お出汁が入ったビクみたいなでかい入れ物。写真じゃ伝わらないが、触れないくらい熱い。

香の香の釜揚げは熱い。うどんも出汁もあっつあつなのだ。

釜揚げうどん しかし写真が下手だな



美味い。とにかく熱いし出汁もいい。ラーメンの最初の一口めくらいの熱さがずっと続く。

私は風邪ひいているとき食いたいな。と思った。

それはなぜか。

あまりにも身体が温まりすぎて、疑似的に熱を出しているときの感覚そっくりの状態になったのである。多分体温も相当高かっただろう。

これ温泉とかと同じ健康効果無いか?

と私は思った。香の香うまい。おすすめ。

 

次の電車まで40分ほど金蔵寺駅で待ち。天気がいいのでなんとでもなる。

ベンチで一人、村上龍の「愛と幻想のファシズム」上巻を読む。主人公達が非道なのが本当に好きだ。面白い。

 

電車で会話するおじさん。それさえもなんだかのどかで懐かしい。

楽しそうな外国人の二人連れもほほえましい。楽しんでほしい。

 

坂出まで足を伸ばし、大行列の日の出製麺所にも行った。

いかに並ぼうが、このために来たのだから待つわよ。

 

日の出製麺所の中は、嫌なたとえをするなら恐ろしい混雑。確実に人に対して店員が足りていない。

私が食べたのは冷かけの1.5玉。なんと280円である。これはビビった。もっとトッピングとか追加で天ぷらとか楽しめば良かったのだが、あまりにも狭く、かつ混みすぎていてすぐに出たくなってしまった。

うどん自体は美味かったのだが。残念だ。

そして正直に言おう。この時点で、

すでに完全にうどんに飽きていた!

 

坂出駅。うどんに飽きたので今日はもう食わない。

電車を待つために、リトルマーメイドというパン屋併設のイートインで珈琲と直感で選んだうまそうなパンを間食。

目の前に座る長髪の白髪でぶつぶつ言い続けるおじさんに自分の未来を見たような気がする。ちなみにすごく楽しそうだ。

隣には落ち着いた夫婦。奥さんが楽しそうにしゃべっていて、旦那はニコニコしながら聞いている。同じくらいの歳だろうに、幸せの形はそれぞれだ。

 

ちなみにここで食べたリトルマーメイドの新作、ショコラホイップは死ぬほど美味かった。チョコチップの入ったショコラブレッド、まずこの時点で記事がもちもちして美味い。これだけで十分なのだが、それにホイップを挟むとすさまじい美味さとなる。下手なケーキより美味い。

ここまでの旅で、正直一番うまかったのは、東京でも食えるこのパンである。珈琲とまた合うんだなこれが。

というより、この旅行で食った物の中で一番美味い。

やはり直感。直感に従えば間違いないのだ。ロジックなんてものは感性の乏しいものがすがるもので必要なし。

 


の席では、奥さんと話してる同年代の男性

 

しあわせの形はそれぞれだな…



金比羅再詣でを行う。今回は最後まで行く。

奥の社厳魂神社まで1358段らしい。行ってみる。

 

ランニングだろうと登山だろうと小説だろうとリズムが大事。

小分けにした4段に1回杖を突くのを繰り返すイメージ。最初の一歩と杖をつくタイミングを合わせる。

1!2,3,4、1!2,3,4,みたいな。

 

小説が書けないのはリズムが無いからでは?

この時は菅原神社の天啓頂いたか? と浮かれていたが、帰ってきても書けなかったので金毘羅詣・ハイになっていただけだった。

たぶんだけど山から見下ろす高松市

奥の社 厳魂(いづたま)神社 とにかく石段を登らないと参拝できない

着いた。達成感あり。



18時になるとチャイムが鳴る。

琴平という街全体が、観光地としての機能を停止する。

一つの企業のようだ。

 

こんぴらふねふね

追い手に帆かけて

しゅらしゅしゅしゅ

 

素晴らしいリズム。

追い手とは追い風のことだろうか。

つまり追い風に乗った船が絶好調でしゅらしゅしゅしゅっとすっ飛んでく感じか。

景気が良くて語感がかわいい歌だ。

そりゃのこるわな。

 

追い手に帆かけてしゅらしゅしゅしゅっと行きたいものである。

 

その後は旅館の部屋に戻り、福本伸行の「天」という漫画の赤木しげるの通夜編を読み、号泣するなどした。