尾見怜:五〇九号分室

小説・映画・音楽の感想

個人的好みの集合体 ただ面白くはない ドゥニ・ヴィルヌーヴ:ブレードランナー2049

ヴィルヌーヴのベストだと思うし、個人的にもベストに近い作品だと思うのだが、別に面白くはない。カタルシスが無い(この指摘するやつ最悪だけど)って言われちゃうと、まあ~そうだね、としか言いようがない。

じゃあなんで今日私はブレードランナー2049を観ているのか。

今年最注目のデューンがそろそろ公開だからヴィルヌーヴの画作りを復習するため? 
それとも急に雨が降ってて寒かったからかな?
アナデアルマスが007でクッソエロかったから?

どれも正解なんだけども、バイオリズム的にイノセンスブレードランナー分を摂取しないといけない体調っていうのが男にはどうしたってある気がする。疲れてるだけかも。ごめんなさいかっこつけてました。

 

疲れた男性向けに、ウォレス社(DMMでもいいぞ)は早くジョイを大量生産してほしいですね。20万まで出す。
「あなたといると幸せ」なんて言われたら「これもプログラムなんだよな…」とか思って、無限のむなしさを感じると思うけども。(VRのAVの導入とか悲しくなるよね)

主役としてライアン・ゴズリングを据えると、顔面が素晴らしいので顔だけで絵が保ってしまうという編集におけるチートが使える。
その欲求にヴィルヌーヴは頑張って耐えている。レフンは無理だった。

自分の無意識と作品がリンクしている。
ジマーの音楽だけいただけない。
耳が敏感にできているのか、初見時映画館で苦痛なくらいうるさかった。PAの問題? IMAXだから?
IMAXはもう個人的に避けようとおもったのがこの映画です。音圧で圧倒しようとするなら低音一点突破ではなく各帯域をバランスよく上げてくれよ。ヤン車のウーファーから流れるダブステップじゃないんだから。
ヨハン・ヨハンソンさえ生きていればそんなことはなかったはずだ!!!(信者)

前作「ブレードランナー」はエポックメイキングな作品だった。でも実際観たら「そんな言うほどおもしろくなくね?」となるのは「教養として観とかなきゃ」なシネフィルワナビの共通体験。
まあリドリー・スコットの作品は面白い映画、って感想になることのほうが少ないし。この人脚本に興味なさすぎるよね。
要は、おもしろくなくても魅力や価値が詰まっている作品なのだ。「この映画大好き!でも面白くはない」というものに初めて触れたのがブレードランナーだったかも。「面白いけどなんか嫌い」な映画もいっぱいであうことになるのだが。

セブンにしても都市にしても雨が降りまくる映画は好き。
どうやら自分はアメリカの大都市には雨か雪が常に降っていてほしい、という歪んだ欲求があるようである。
スティングのイングリッシュマンインニューヨークのMVの影響かも。ただし西海岸は除く。あそこはピーカンが望ましい。

できれば全員うつ病寸前であってほしい。楽しく大都市を満喫している人が出てくるとなんか腹が立つのである。非常によくない。ニーチェに怒られそう。
港区女子がなんか腹立つのと同義か。風俗嬢は大好きなので、映画のタクシードライバーはセーフ。(年齢はアウト)

あとこの作品で、有名ブランドショップみたいな外見の広場に面した路面店なのに、ふたを開けてみれば風俗店だったのは最高。客が落ち着けないだろ。
と思ったけど歌舞伎町とかなんばに似たようなものがあるにはあるな…