第4阿呆特急

一人旅をします。

笹塚の讃岐うどん、上田屋菓子店、団地

仕事の事ばかり考えてしまう。もうすぐ上司と話さなければいけない。とても憂鬱だ。今日は深夜1時に目が覚め、仕事のことを無意識で考えていた。

ちょっとした抑鬱状態だと思う。

早くケリをつけたい。嫌な気持ちは晴れない。

深夜スマホ片手に良くないネットサーフィンをしていると、チョコレートは鬱に効くらしいとわかった。他にはバナナ、ナッツなどが有効だ。毎朝バナナを食べているのでチョコを入手したいと思った。ナッツは苦手。なので、例によって歩くことにした。

 

方南町から環七を南下して笹塚まで向かう。何度も歩いた道だ。

こんな暗い気分で歩くのは初めてだが、まず何か安い飯を食おうと思う。

何かあるだろうか。生物として何か食事を探している時は鬱から狩人モードに切り替わるような気がする。

もう嫌な事も思い出したくない。ありがたい。

いつメンタルは改善するんだろうか?

いつ貯金は尽きるのだろうか。

わからない。

笹塚駅

イチョウの葉はほぼ落ち切って、残り2割と言ったところ。本格的な冬が始まる。

 

さて、笹塚である。

友人がここに住んでいるので、時々遊びに来ることがままある駅だ。

とにかく腹ごなしがしたいが高いものは食べたくない。結果的に好物である讃岐うどんを食べることにした。目指すは駅前にある宮武讃岐うどん笹塚店。私はもうすでに40回ぐらい来たことがある。必ず食べるのは冷やかけの大盛り、かしわ天を二つ。850円だ。


その前にスマホの電池の充電の調子が悪い。94%。充電しても100%にならず、必ず94で止まる。消費も速い。なんだかそんな些細な事でもイライラしてしまうので、思い切ってバッテリーを交換することにした。うどん屋の隣の隣の隣位にある、スマホ修理の店で私の使っているiPhone SE2は5800円30分で交換できるらしい。うどんをすすって戻ってくればすぐである。

 

うどん屋で、冷やかけの大を注文する。

お決まりのセット

すぐ出てくる。かしわ天はかならずふたつだ。
出汁の輝きが美しい。そしてうますぎる。なぜこんなにもいりこだしと言うのはうまいのか。私は好みの幅というものが狭いらしい。おそらく味覚も敏感な方である。冷たいいりこだしを飲むたびに感動している。僕はこんなもんでいいのである。またかしわ天もうまい。私は鶏肉が1番好きだ。毎日食べる。

かしわ天をどんぶりの中に入れると、油がいりこだしに混ざりの表面がさらに輝きだす。美しいので、写真を撮ってしまった。

黄金です

退社するのは来月1月末だが、もう既に無職のマインドになっている。

無職のマインドを持つ者は、贅沢に今の時間を楽しむことができる。

未来の目標や予定のために生きていない。その辺の花や石に思いを馳せることができる。

働いている人間が悪いと言うわけではないが、仮にも文士を目指すものとしては、こういった感性が必要な気がしている。

花を撮っただけ 感想は特になし

 

スマホのバッテリーが交換された。これで100%になってほしいものである。

とても人のよさそうな店主に持っているカメラを褒められた。父の形見です、となぜか言ってしまった。

まだ亡くなってはいないのだが。余計なことを言う嫌な奴になっている気がする。

 

さて、どこへ行こう

玉川上水らしいが水が全然ない。太宰死にたい時どうすんねん。

水無し玉川上水

天気が良くて気持ちが良い。

ほのぼのした気分だ。

いよいよをもって自分がどこに向かってるのかわからなくなってきた。

私と違って選挙のポスターに写っている候補者は、どこかしらに向かおうとする意志を感じる。

 

観音通りとやらに入る。

しっとりしたジャズっぽいBGMが流れている。まぁ飲み屋が多いので、どちらかと言うと本番は夕方からなのだろう。

しかし、腹も膨れたし、バッテリーも新しく生まれ変わったし気分が良い。

金に余裕があれば、喫茶店など行くんだろうが。
あまり葉っぱが落ちていないイチョウを発見する。美しい。

笹塚の目抜き通りに入る。

まあ華やか

何も買わずに歩くだけなのが申し訳ない。

たい焼き屋があるらしい。食べたい。見つけたら絶対に買ってしまう。

活気がある。

渋いお菓子屋さん発見。

その店の娘と思われる10歳くらいの女の子が店の中に走って入っていった。
その勢いと元気がどこかうらやましく、なんとなく入ってみた。
素晴らしく好みの店構えだ。

お菓子屋さん

中に入ると、なんともレトロ好みの嗜好をそそられるチョコ菓子があった。

これは欲しい。悩むことなく買ってしまった。
なんとさっきの女の子がレジを対応してくれた。変なおっさんだと思われただろう。

やや警戒の表情が切ない。

 

いこいの広場もある。あまりいこえなそうだが。

憩いの広場

この文章は、iPhoneのメモ帳の音声入力で記入しているのだが、既にバッテリーが発熱している気がする。はずれのバッテリーをひいたようだ…

またすぐ替えることになりそうだ。

静かだ

シンと静まり返った団地を見ると、胸がキュンとなるのはなぜだろうか。

幼い頃の記憶がふっと脳裏によぎる。
子供の時は団地がもっと大きく見えた。今はミニチュアに見える。

毎日乗っていたお気に入りの自転車。
家庭科の授業で作ったナップサック。
団地の友達の家の匂い。
ドラゴンクエストのレベル上げ。
漫画を読みお菓子をたべる。
ゆっくりと日が暮れていく。
あたりが暗くなる。
5時のチャイムが鳴る。
まだ遊びたいのに私は帰らなければいけない。
外に出ると少し寒い。


ふと廃品回収のトラックが通った。
家電なら何でも引き取ると喧伝しながらゆっくりと走っている。
「壊れていても構いません」と言っていた。
私もやや壊れているので引き取ってほしいとちょっと思った。

チョコは鬱に効くらしいので、470円で32本ある。毎朝1本ずつ食べようと思う。
なくなったら、またあそこに買いに行こう。

その時は、あんな怪訝な表情をされないことを願う。

今日の戦利品