尾見怜:五〇九号分室

小説・映画・音楽の感想

物質主義の終わりとアナーキィ・ワンダーランド  デヴィッド・フィンチャー:ファイト・クラブ

生涯ベスト映画です。まあとにかくテンポ速い。原作のチャック・パラニュークの語り口はいちいちひねくれていて、暴論故に気持ちがいい。生理的なリズムでしょうね。もっと歳食ったら小津安二郎とか好きになるかもしれませんが。今映像のテンポで一番好みな…

あなたの人生にはモルヒネ的なものが必要か My Bloody Valentine:Loveless

浮遊して、朦朧として、やらなければいけないこともせず、どちらかといえばネガティブな気分なんだけど不思議に心地よく、二度寝したときにみるシュールな夢のなかのようで、いつまでもとぎれずおわらないぼんやりした感覚。 このアルバムは用途が決まってし…

罵倒と差別の快楽 村上龍:愛と幻想のファシズム

傑作であり衝撃作です。高校の時に読んで以来ずっと自分の中でベスト小説。次点で町田康の「告白」が続きます。ずっと考え続けなければならないし、わたしの人生について回るハードルというか障害というか。これに触れない限りこのブログは始まりません。私…