尾見怜:五〇九号分室

小説・映画・音楽の感想

「やけくそ」という精神状態のおもしろさ Babyshambles : Down in Albion

「もうどうにでもな~れ♪」というAAをご存じでしょうか。

↓です。

もうどうにでもな~れ

   *゚゚・*+。
   |   ゚*。
  。∩∧∧  *
  + (・ω・`) *+゚
  *。ヽ  つ*゚*
  ゙・+。*・゚⊃ +゚
   ☆ ∪  。*゚
   ゙・+。*・゚"

なんかいいですよね。

わたしはこのAAが大好きです。一種のさわやかさをそこに感じませんか。しがらみから解き放たれた自由な精神を感じませんか。

わたしは「やけくそ」「自暴自棄」「開き直り」みたいな精神状態によくなります。
勉強なり仕事なり最初はまじめにやっているのですが、うまくいかないことが続きます。
するとまずそれに臨む態度が、どうでもいいや、みたいな感じに徐々にひねくれていきます。精神もネガティブな方向へふれていきます。
当然結果は出ません。ゴミみたいな成果が残ります。自分が恥ずかしくなり、かろうじて残っていたモチベーションはすべて消えます。
最悪なことに、そんな状態が結構好きだったりするのです。
麻雀でいう、残り千点しかなくなって役満しか狙わなくなるみたいな精神状態です。
負のテンションがアゲアゲになる。
そもそも「やけくそ」という言葉自体好きです。自棄糞て。
「もう知らない!」って女の子に言われるのも好きです。
しずかちゃんとかよく言うイメージですが、まじめな女の子に「もう知らない!」って見捨てられたい。それでいてヘラヘラしていたい。

そんな僕の大好きな「ヤケクソ」が詰まったアルバムが、「down in albion」です。
ていうか、#2の「fuck forever」です。マジで自暴自棄な曲です。


I sever my ties
Because I'm so clever
But clever ain't wise
And fuck forever
If you don't mind
Oh, fuck forever
If you don't mind, don't mind, I don't mind, I don't mind

俺は縁を切るよ
頭がいいからね
でも賢くはないよ
そして永遠にくたばりやがれ
お前が構わないなら
永遠にくたばれ
お前が構わないなら俺もかまわないよ
構わない、構わないよ

(適当な訳です)


ドンマイ連呼のこの曲をUKロック一番の名曲だと思ってます。割とマジで。ロックという音楽ジャンルは本質的に「憂さ晴らし」だとおもっているので(向井秀徳並感)。
時々酒飲んでコードだけギターでかき鳴らして下手な歌をうたいます。

すべて嫌になってネガティブなことを叫びまくる。人に嫌われる要素満載。そんな振る舞いができる。それこそが自由だと思いませんか。
ちょっと癇癪をおこして嫁をシバいてしまった。それで離婚だ賠償だとなってしまう世の中です。
電車の中、疲れていて頭がバグっている。ふと無意識的に目の前にあった女のケツを触ってしまった。当然捕まる。人生が終了する。いやだ。
わたしはどうしても、この世界が息苦しい。いっそ殺せ。いや殺さなくていい。むちゃくちゃにしてやれ。大人げなく駄々をこねて暴れまわろうよ。
そういうマインドの時頼れる音楽があるというのはなんだかんだ幸せです。

コーラスの「ah~~~~」というのがなんだか「あ~あ、やってらんねぇ」みたいな嘆息に聞こえます。
ベイビーシャンブルズは当時ライブでもほぼ失敗のような演奏ばかりしています。泥酔、下手すりゃ薬でキマっちゃってる状態だからです。
↓ぎりっぎりで成立してるのがすごい。

あとぶりっ子すぎてちょい腹立つ。


babyshambles - fuck forever (live on jools holland)

先生に怒られたとき。仕事が全くうまくいかないとき。

どうしようもない事態が起きて、自分に対処する能力が全くないor権限がないとき。
「うううん!」とか意味不明な言説とともに癇癪を起す子が小学生の時に同じクラスにいましたね。
そういう人ってなんか人間味があって好きです。現実と理想の乖離を認めない姿勢。弱いからこそパンク。

そんな人間でありたいですね。(うそ、ありたくない)

 

ダウン・イン・アルビオン

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